土地仕入れにも役立つ?適正に管理されていない不動産への「行政指導の求め」の活用
問題点
適正に管理されていない不動産がもたらす影響は多岐にわたります。
例えば、建物が老朽化することで、地震や台風による倒壊のリスクが増加し、外壁や屋根材が落下する危険も生じます。
また、ハクビシンやネズミなどの害獣が繁殖し、不衛生な状態になる可能性もあります。
さらに、壊れた窓から不法侵入者が出入りすることで地域の治安が悪化し、ゴミの投げ捨てが増えると火災のリスクも高まります。
植栽が隣地や道路にはみ出すことで、周囲の建物を傷つけたり、通行を妨げたりすることも考えられます。
不動産の適正な活用
これらの問題を解決する一つの手段として、適正な利用目的を持った事業者が不動産を買い取り、建物の除却や活用を行うことが挙げられます。
これにより、地域社会への貢献ができ、近隣住民、所有者、事業者の三者にとって利益をもたらす「三方よし」の取引となるでしょう。
「行政指導の求め」の活用
では、このような不動産を事業者が仕入れるために、どのような具体的な手法が考えられるのでしょうか。
行政手続法第36条の3には、「何人も、法令に違反する事実がある場合、その是正のためにされるべき処分または行政指導を求めることができる」と規定されています。
これは、第三者が法令違反を発見した際に、行政庁に対して「処分」や「行政指導」を要請できるというものです。
このような場合、ほとんどのケースでは「処分」ではなく、「行政指導」を求めることが一般的です。
重要なのは、「何人も」と記されている通り、申し出を行う者が利害関係者である必要はなく、たとえ通りがかりの仕入れ担当者でも申し出が可能である点です。
「行政指導の求め」の効果
行政指導には法的強制力はありませんが、行政からの指導や勧告が不動産所有者に早期の改善措置を促すことがあります。
例えば、相続が未解決で放置されていた不動産が、行政の指導を受けたことで売却の意思決定がなされることもあります。
このように、行政指導は法的紛争を避けながら、所有者が問題を解決する契機となり得ます。
これにより、仕入れ担当者は所有者から売却の意思を引き出し、条件交渉が進めやすくなるのです。
情報収集の重要性
適切な仕入れを行うには、情報収集が不可欠です。
近隣住民に「行政指導を求めるために申出書を提出しようと考えています。
何かお困りのことがあれば教えていただけませんか?」と尋ねれば、協力を得られることが多いでしょう。
最後に
重要なポイントとして、行政指導の求めは法律に基づくものでなければならない点が挙げられます。
条例や規則に基づくものではこの手続きを行うことができません。
空家等対策の推進に関する特別措置法や土地基本法などが根拠となることが多いですが、詳細については専門家に相談することをお勧めします。
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